ジェラートとその歴史
ジェラートとは果物、牛乳、砂糖などをかき混ぜて凍らせたデザートで、イタリアでは国民食として愛されています。
なぜ「ジェラート」なのかというと、由来としてはイタリア語で「凍った」という意味から取っています。フィレンツェ発祥であり、シチリア諸島ではブリオッシュに挟んで食べる習慣が有名です。
もっと遡ってみると、ジェラートに関する最も古い記述は旧約聖書とされています。聖書では氷雪で冷やしたミルクシャーベット風の飲み物と表現されていたそうです。その後は「ドルチェ・ヴィータ」と呼ばれる雪をベースに花水、果汁、ハチミツなどを混ぜた飲み物としてローマで親しまれていたとされます。
一方、マルコ・ポーロの『東方見聞録』では、彼が北京でアイスミルクを味わったという記述があり、これがジェラートの元ではないかという意見も見られます。ポーロは北京で飲んだアイスミルクの作り方を伝え、ヴェネツィア、ひいては北イタリア全土で有名な文化になったことが語られています。
15世紀初頭にはメディチ家の令嬢カトリーナがアイスクリーム職人も含めた専任シェフとともに、後のフランス王アンリ2世となるオルレアン公に嫁ぎました。婚礼の席で振る舞われたアイスデザートが評判となり、フランスからヨーロッパ全土へと広がりを見せたとされています。
以上のことから、シャーベットとともにジェラートはイタリア発祥となり、ヨーロッパ全土、ひいては全世界へと広まったと考えられています。